秋に山を彩ってくれる紅葉、緑色から赤色、黄色、茶色と変遷した葉は美しいものです。
その中でも、赤色の葉の鮮やかさには、本当に魅了されます。
赤色の葉といえば、カエデ、ナナカマドなどがありますが、「ヤマウルシ」「ツタウルシ」などのウルシ属の植物の葉もキレイな赤色に変化します。
今回は、皮膚につくとかぶれやすいヤマウルシの見分け方について、お伝えします。

ヤマウルシの植生
ヤマウルシは、北海道から九州地方の山地や低地に生育し、山野の明るい場所を好み、道端のヤブなどに幼木が育っているのを見かけることがあります。
高さは2~8メートルくらいのものが多いです。

ヤマウルシの毒性
樹液、葉汁にウルシオールを含み、枝や葉に触れるとウルシかぶれの炎症を起こします。
春先の新芽が出るころに樹液などにより、かぶれの症状が出ることが多いですが、紅葉した葉に触れても炎症を起こすことがあるので注意が必要です。
ヤマウルシのほか、同属のハゼノキ、ヤマハゼ、ヌルデなども触れるとかぶれを起こすことがあります。
ヤマウルシの見分け方
ヤマウルシを見分けるには、葉の形や葉の付き方で判別することができます。
葉は、軸の先に1枚、軸の両側に4~8対ついている「奇数羽状複葉」という形をしています。

また、葉の大きさが、軸の先端から根元に向けて小さくなり、軸が枝から放射状に広がっているものを探すと見つけやすいです。
また、軸の部分が赤色なので見分けるときの目印にしてみましょう。

紅葉しているヤマウルシに触ってみた
ヤマウルシの葉を手に取り、葉の上からこすってみましたが、かぶれることはありませんでした。
秋のヤマウルシは、かぶれの症状が出にくいと言われますが、人によって異なりますので注意してください。

ウルシによく似ているニワウルシ
ニワウルシは、名前にはウルシとありますがニガキ科の植物であり、触るとかぶれるウルシ科の仲間と違ってかぶれることはありません。
元々はニワウルシも中国原産で、葉の形や付き方はヤマウルシに似ていますが、高さ20mにも達する落葉高木で、よく見ると葉の形ひとつひとつが、ヤマウルシよりも長細い形をしています。
山の風が気持ちよい紅葉の時期です。ウルシなどに気を付けながら多くの自然を楽しんでください。
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